最近、採用広報とインナーブランディング(理念の社内浸透・社内広報)の両立ができてきました。
(成果が出はじめるのはもっともっと先でしょうが頑張ります)

私は企業のファンを作るために、魅力を伝えるための「採用広報」と魅力を実感するための「インナーブランディング」どちらも大切だと思っています。

ステークホルダーは求職者だけではありませんが、私が(新卒)採用広報の仕事で、「入社の決め手」をインタビューした時に、一番多い理由は「人がよかった」「雰囲気が自分と合ってた」など「その会社の人に会った時の印象」なのですね。

「人事の方が、単に自分の会社をおすすめするのでなく、親身になって相談に乗ってくれた」「内定をもらってからも迷っていたけど、待ってくれて、相談に乗ってくれた」
からの、
「社長面談で社長がすごく距離が近かった」

は、私の中での鉄板グリップストーリーです。

若いうちから活躍できる、いろんなことにチャレンジできる等、採用広報で知っていただく魅力はいろいろとありますが、「それ本当」を実感させてくれるのが、「人」なのですね。

また、接客など生活者と直接関わる仕事ですと顕著に「この会社(お店)の人たちって、なんかみんないい感じ」を実感しやすいですし、BtoBでも同様のことが言えるかと思います。

ということで、結局は「理念やビジョンに共感し、同じ目的を持って働いている」、あるいはそこまで高度でなくても、「みんな楽しそうに働いている」「みんなやりがいを持って働いている」が大切。
これらは「質の高いサービス」に繋がっていくからですね。(「質の高いサービスに繋がる」を理解して貫いている経営者の会社は強いですよね)

そこまで高度でなくても、ということを言いましたが、「理念やビジョンに共感し、同じ目的を持って働いている」というのは、大枠ではそれがベストなのですが、細部に目を向ければ「多様性」という側面を抜かしてしまうことにもなります。

そこまで自分のキャリアビジョンが明確に描けていなくても、(あらゆる可能性がある)この会社にいるうちは、いい仲間と楽しく働けて、何かしら成長できる。というのがあれば上出来。(この辺はキャリアコンサルタント目線も入っていますが)

ですから、私はインナーブランディングにおいて「どうしたら、会社の理念が浸透し、みんなやりがいを持って働けるようになるか」と一緒に考えるにあたり、最近お伝えしたことがあります。

「会社のためにこのプロジェクトをやっているのは、確かにそうです。今は皆さんはこの会社の社員ですから。でも、究極は自分のためにやってください。この会社で働くことが、自分の人生やキャリアにとって、どんな意味を持つのか考え、どうしたらせっかく縁を持ったこの会社で、自分が楽しく働けるかを追求してくださればいいと思うのです。いきいき働いている人は、人を惹きつけます。そして、仲間や後輩のやりがいやキャリアビジョンにも興味を持って、この会社で働くことが、いい意義を持つように応援してあげてください」

この企業は、現在、理念浸透のアクションプラン立案・実行を、定例ミーティング等を通して支援しています。結局、インナーブランディング(理念の社内浸透・社内広報)は地道な活動ですから、会社のためにやらされてる感覚では意味がありません。

私は、「自分のため」はとってもいいことだと思うのです。自分が満たされていない人は、リーダーシップは取れないからです。いやいや働いている先輩には、誰もついていかないですよね。(自戒を込めて)
私が自律型キャリア形成を重視しているのも、この辺りが理由になります。

(キャリア研修やセルフキャリアドックももっと広まるといいなと思います)

行動指針をみんなでつくるワークショップの最中に、「相手を思いやるためには、何が必要?」という議論が発生し、「まずは自分を好きになることでしょ!」という意見が出た、クライアント企業に敬意を込めて、この記事を終わります。